糖質制限食(低糖質食)の基本ルールを理解して健康的にダイエット。

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1.糖質制限食を否定する専門家(医師・看護師・管理栄養士)

 糖質制限食を否定し、また過度に危険性を主張する方々がいらっしゃいます。特に、権威ある医師が、TVや雑紙記事などで糖質制限食を否定すると、私たちとしては、糖質制限食に不安を感じます。
 医師の発言と、糖質制限食を実践した自分の体調の良さと、どちらを信じれば良いのでしょうか。

 

 愚か者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶといいます。
 私たちは、糖質制限食を否定する医師の発言をまっすぐには聞かず、まずは、「新しい治療法」と「同時代の医師」との関係を歴史的に検討してみましょう。

 

 すると、多くの医師は、新しい治療法を簡単には受け入れないことがわかります。特に、「新しい治療法」の有効性を認めると、自分でしてきたことが罪深い過ちで、患者を傷つけてきたことを認めなければならないような場合、同時代の医師の多くは、その新しい治療法を認めず、攻撃します。

 

 自分の今までの治療法を守るか、それとも新しい治療法も学習して患者を守るかの選択肢では、歴史的にみると、多くの医師は、自分の治療法を守るために、患者を犠牲にしています。

 

2.新しい治療法の発見者と、同時代の医師の振る舞いを振り返る。

(1)パレ(1510年又は1517年-1590年)

 中国からもたらされた火薬は、ヨーロッパで激しく使用され、銃創を急増させました。理髪外科医の徒弟だったアンブロワーズ・パレは「火薬によって毒された傷は、煮沸した油でその毒を除かなければならない」と学び、多くの外科医と同様、兵士の銃創に熱したニワトコの油をかけていました(※1・145ページ)。
 戦場で油がなくなったとき、パレは、卵黄・バラ油・およびテレビン油で軟化剤をつくり、銃創に塗りました。その効果は翌日には明らかとなりました。熱した油の治療よりも、軟化剤の治療の方が、兵士は安眠し、傷も悪化しませんでした。パレは、銃創の新しい治療法を開発したのです。
 また、この時代、炎症・出血・四肢切断時には、焼きごてが用いられていました。パレは、脚の切断後、焼きごてを使わず、糸で大きな血管をしばる治療法を確立しました(※1・158ページ)。
 パレは、フランス語で、銃創治療法の教科書を書きました。しかし、当時の権威ある医師たちは、書籍が学術言語(ラテン語)で記載されていないと見下し(※1・147ページ)、パレの治療法を攻撃する外科学書を出版しました(※1・165ページ)。
 パレは新しい本を書き、激しく反論をしながら、戦時中の自らの治療法を記載しました。これらパレの書籍は、英語その他に翻訳され、その治療法は、ヨーロッパ中に広まりました。
 パレの新しい治療法を「受け入れなかった」のは、同時代の権威ある医師のみです。
 パレとその治療法にとって幸いだったのは、新しいパレの治療法の効果が素晴らしく、国王がパレを従軍させ続けたことでしょう。そして、パレを「国王付き顧問官・筆頭外科侍医」に任命するほどに、国王はパレを頼りました。
 つまり、権威ある医師たちがどれほどパレやその治療法を攻撃し、否定しても、それ以上に権威ある国王が、パレを支持したのです。
 同時代の医師たちは、パレの治療法を知った後でも、銃創に熱した油をかけ、出血に焼きごてをする治療法を勧めていたのです。つまり、同時代の医師は、古い治療法の過ちを、認めることが、できなかったのです。
 新しい治療法が浸透するには、医師の世代交代が必要でした。

 

(2).ゼンメルヴァイス(1818年-1865年)

 ゼンメルヴァイスは新しい治療法を生み出しましたが、同時代の医師たちに激しく攻撃され、その治療法は広まりませんでした。このため、多くの患者たち(妊婦)は、ゼンメルヴァイスの新しい治療法を受けることができず、出産直後、高い確率で産褥熱を発し、死亡しました。
 同時代の医師たちにとって、ゼンメルヴァイスの新しい治療法を受け入れることは、自分たちが原因で多数の妊婦を産褥熱で死亡させていた、と認めるに等しいことなのです。
 大多数の医師は、自分たちが原因で多数の妊婦が死亡したという事実を受け入れられず、逆に、ゼンメルヴァイスを攻撃しました。ゼンメルヴァイスは、勤めていた医院を追われ、論文も無視され、最後は精神病院で亡くなっています。
 産褥熱というのは、発熱を伴う感染症で、抗生物質もない当時、致死率の高い病気でした。
 当時、素手で解剖をする医師が、手を洗わずに妊婦の分娩の手当をしていたのです。従って、医師の手から、連鎖球菌が創傷を生じた直後の子宮に移っていました。
 ゼンメルヴァイスは、医師の手洗いと、塩素水での消毒で、産褥熱の発生を抑止できることを発見します。実際、彼の勤める医院では、産褥熱の発生を撲滅していったのです。
 ゼンメルヴァイスの時代、まだ「細菌」の存在は知られていませんでした。そして、外科医は、手洗いなどしなかったのです。外科医の美徳は素早い手術でした。
 同時代の医師は、「医師の手洗いにより産褥熱の発生を低下させる可能性がある」ということを知っても、手を洗わず、産褥熱は解決不能の病であると主張し続けました(※2・19ページ)。
 この同時代の医師の振るまいこそ、わたしたちが学ぶべきことです。同時代の医師は過ちを認めないばかりか、新しい治療法を無視し、または攻撃するのです。
 ただ、新しい治療法が浸透しなかった理由は、ゼンメルヴァイスの側にもあるといわれています。例えば、パレと比較して、ゼンメルヴァイスの性格や文章は、共感を呼びにくいものであったといわれています(※2・22, 29-30ページ)。

 

 しかしながら、同時代の医師は、目の前の若い妊婦の死亡を避けるために手を洗うのではなく、自らの罪を逃れるためにゼンメルヴァイスの治療法を否定したのです。患者の生命よりも、自らの保身なのです。この振る舞いは、新しい治療法が生まれたときの同時代の医師の典型的な行動です。
 自らの罪の意識との関係ではなく、自分たちの権威を守るためにゼンメルヴァイスの治療法を否定したという見方もあります(※3・88-91ページ)。

 

 いずれにせよ、新しい治療法が自由に生まれてくる時代には、患者のために本当に最適な治療法を選択する、という知識労働を、医師に求めるべきではないのかも知れません。
 同時代の医師たちは、自らの罪の意識を逃れ、権威を守るためであれば、目の前の妊婦の死亡率が高まっても、かまわなかったのです。患者を守るのではなく、自分が繰り返してきた治療法を守るのです。
 繰り返しますが、同時代の権威ある医師たちというのは、過ちを認めることのできない人々です。社会的な尊敬を集めているほど、自説を変えないまま、死に至ります。

 

(3)リスター(1827年-1912年)

 食物・ワイン・人体の傷口は、あるときに腐り始め、悪臭を放ちます。
 パスツールは、有機物を腐らせる微生物を発見しました。同時期に政治家は、石炭酸を用いてごみの悪臭を消すことを発見しました。これらの情報から、リスターは、石炭酸を浸した包帯で患部を覆うという消毒法(防腐法)を発見します(※2・163-164ページ)。
 空気中から傷口に微生物が落下してくると想定していたリスターは、患部を布で覆い、空中に石灰酸を噴霧していました(※2・165ページ)。傷口を覆う消毒液も工夫がなされ、次第に複雑なものとなりましが、確実に感染症を防ぎ、このため、より難しい手術に挑戦できるようにもなりました。
 しかし、他の外科医は、リスターの消毒法を採用しませんでした。リスターの消毒法は複雑すぎて、忍耐が必要であり、早業を得意とする外科医のリズムに合わなかったのです。
 また、リスターの消毒法を認めるということは、患部の腐敗(感染症)の原因が、自らの手であり、自らの病室であることを認めなければなりませんでした。
 同時代の医師は、過ちを認めることができないのです。

 

 リスターの方法は、イギリスではなく、ドイツやフランスで受け入れられ始めました。普仏戦争で外科の需要が高まっていたことや、当時のドイツの科学的精神が、リスターの方法と親和性が高かったためといわれています(※2・180-181ページ)。
 リスターは、「専門家の医師たちがそれを認めなくても、民衆がそれを学び、法がそれを要求するだろう(※2・181ページ)」と述べています。新しい治療法の理解者や、要求者は、専門家の同時代の医師ではなく、治療を受ける人々だというのです。
 パスツールは、創傷感染を研究し、六種類の感染症と、六種類の微生物とを結びつけました。また、空気中に浮遊する微生物は極めて少ないことも、知られてきました。
 傷を感染させていたのは、空気中から傷口に落下する微生物ではなく、医療従事者の手や器具だったのです。「消毒する必要のあるのはリスターの予想した傷ではなくて、傷に接触する(そして細菌のついた)いっさいのものだということだった。こうして、無菌法が誕生した(※2・183ページ)」
 無菌法は、グスタフ・ノイバーの手術用帽子とガウン、スチュアート・ハルステッドのゴム手袋、エルンスト・フォン・ベルクマンの蒸気減菌法など、次々と新しい手法を生み出しました。
 消毒すべきなのは、傷口ではなく、傷口に触れる物なのです。
 無菌法の前では、リスターの消毒法(防腐法)も、古い治療法となっていきました。

 

(4)夏井睦(1957-)

 リスターの消毒法と、それに続く無菌法は、感染症の恐怖を減らしていきました。医療従事者とその器具の消毒は、徹底し、現在では使い捨て(ディスポーザブル)の器具も増え、生物学では無菌操作の手順が確立しています。
 しかし、リスター以後、皮膚や傷口の消毒は続けられています。傷口の消毒は激痛を伴う野蛮なもので、熱した油を創傷にかけることと大きな違いはありません。つまり、傷口の消毒は不要なのです。
 傷口は、水道水で流せば十分であると、夏井睦医師は教えます。

 

 創傷治療では、リスター以後、乾燥状態では細菌が増殖しないという知識を利用して、感染症を防ぐために、傷口を乾燥させていました。乾燥させると、かさぶたができます。
 一方、夏井睦医師は、創傷を乾燥させるのではなく、湿潤に保つ治療法を開発しました。この湿潤療法は、キズ(創傷)やヤケド(熱傷)を素早く綺麗に治すのです。従来、皮膚移植が必要と判断されていた程度のヤケドも、移植なしに治癒します。

 

 リスター以後、傷口は消毒し、乾燥させることが常識でした。しかし、夏井睦医師は、傷口を消毒せず、湿潤状態を保ちます。すると、痛みもなく、湿潤環境下で、皮膚が再生するのです。
 消毒液や界面活性剤は、皮膚になろうとする組織を殺し、皮膚の再生の邪魔をします。1日に1度など傷口を水道水で洗えば、悪玉の細菌も流れ去ります(※3・35, 122ページ)。傷口の洗浄は、糖分の入っていないお茶や、流れている川の水でも良いそうです(※3・36ページ)。

 

 さて、あなたは、「傷口に熱した油をかける」ことは野蛮だと感じたでしょうか。
 「傷口を消毒液で消毒する」ことはどうでしょう。必要なことでしょうか。それとも、野蛮なことでしょうか。

 

 夏井睦医師にとって、傷口を消毒液で消毒するということは、傷口を悪化させる野蛮な行為です(※3・79ページ)。
 消毒は、傷を悪化させるのです。

 

 それでは、日常的に消毒をしている同時代の医師は、「消毒が傷を悪化させる可能性」を認めることができるでしょうか。「今までの消毒は不要に患者を苦しめていた」という過ちを認められるでしょうか。

 

 熱傷(ヤケド)に皮膚移植をし、傷跡を残してきた医師たちは、消毒をせずに湿潤に保つだけで皮膚が再生する可能性を認められるでしょうか。「不必要に皮膚移植をし」傷跡を深くしていたと今までの治療法の過ちを認めて、「自分たちの古い治療法は不要になる」と主張できるでしょうか。

 

 ヤケドをした本人や、子どもにヤケドをさせてしまった両親はどうするでしょう。皮膚移植を宣告された際、インターネットの検索サイトを駆使して新しい治療法がないか探した人は、大学病院から逃げ出し、夏井先生が整理された、新しい創傷治療を受けています(※3・46-49, 63-67;インターネットサイト「新しい創傷治療」)。

 

 情報収集し、自分で判断できる患者は、痛みもなく綺麗になおる新しい創傷治療を求め、同時代の医師は新しい創傷治療を認めず、攻撃するのです。

 

3.糖質制限食

(1).糖質制限食は、新しい治療法でもある

 糖質制限食というのは、「体脂肪が増加する」という病気の原因をなくしてしまう新しい方法で、多くの生活習慣病を根源から治す新しい治療法です。
 新しい治療法が生まれたとき、同時代の医師はどう反応するでしょうか。新しい治療法を素直に認めて学習し、賞賛し、古い治療法による過ちを認めるでしょうか。
 わたしたちは、医学の歴史から、新しい治療法に対する同時代の医師のよくある振る舞いを学びました。
 次のようなとき、同時代の医師はどのように振る舞うでしょうか。

 

  • 糖質制限食により今までの治療法が不要になる。
  • 糖質制限食を認めると、今までの治療法は病気を悪化させていたと、認めることになる。
  • 糖質制限食が広まり、現在の患者が苦もなく減量に成功してしまっては、自らの権威の源(病気や患者)がなくなってしまう。

 

 このようなとき、糖質制限食という新たな治療法が生まれたときの同時代の医師たちは、どのような行動をするか。

 

 わたしたちは答えを知っています。多くの医師は、自らの過ちを認められないのです。
 新しい治療法を攻撃し、既存の(古い)治療法を守ろうとするでしょう。つまり、糖質制限食を攻撃するでしょう。
 医師のみならず、看護師や管理栄養士にも「過ちを認められない人々」がいます。書物で勉強をしてきた専門家ほど、「過ちを認められない人々」になりがちです。患者ではなく、書籍で学んだ古い治療法を守ってしまうのです。

 

 リスターの言葉を思い出しましょう。専門家の医師たちがそれを認めなくても、人々が新しい治療法の利点を学び、要求するのです。

 

(2).糖質制限食へのネガティブ・キャンペーン

 糖質制限食と同時代の糖尿病学会(及びその専門医)は、糖質制限食へのネガティブ・キャンペーンをする動機がありそうです(※4・115ページ)。
 糖質制限食が浸透し、血糖値が激しく上下動する食文化がなくなっていくと、究極的には、糖尿病患者がいなくなるでしょう。糖尿病患者がいなくなって困るのは、糖尿病を専門とする医師と、その学会(及び事務局)です。
 また、糖質制限食の効果を認めると、いままでの食事療法の間違いを認めなければなりません。糖尿病患者の入院食が、糖尿病を悪化させている可能性もあります。

 

 このようなとき、古い治療法に慣れ親しんだ同時代の医師は、どのように振る舞うか、私たちは知っています。

 

 哀れなものです。

 

 同時代の古い治療法の専門家(医師・看護師・管理栄養士)のネガティブ・キャペーンを、気にする必要はないのです。それよりも、新しい世代の医師・看護師・管理栄養士が、新しい治療法をどう評価するのか、アンテナを立てておき、よく話を聞いてみましょう。

 

 それこそ、新しい専門家による有用で参考となる判断が示されるでしょう。ただ、組織での若手の力は限られています。経済的に自立し、大学との関係が小さい開業医など、比較的自由度のある医師などの判断に注目しましょう。

 

 私たちは、医師を選ぶのではなく、治療法を選びましょう。信頼できる治療法に詳しい医師を探すのです。そうすることによってのみ、古くて野蛮な治療法が、なくなっていくのです。

 

 新しい治療法を、同時代の医師が攻撃するのは、ごく普通のことです。糖質制限食を否定する人が専門家であるほど攻撃するのです。それは歴史的に繰り返されている哀れな光景です。
 古い治療法を守ろうとする専門家のネガティブ・キャンペーンには、有用な情報は含まれていないでしょう。大切なことは、自分にとって有用な情報を集めて、実際にためしてみて、自分の体調変化をよく観察することではないでしょうか。

 

 

参考文献等

※1 シャーウィン・B ヌーランド (著), 曽田 能宗 (翻訳)『医学をきずいた人びと―名医の伝記と近代医学の歴史〈上〉』(1995年再版,河出書房新社)

 

※2 シャーウィン・B ヌーランド (著), 曽田 能宗 (翻訳)『医学をきずいた人びと―名医の伝記と近代医学の歴史〈下〉』(1995年再版,河出書房新社)

 

※3 夏井睦『傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学』(2009年初版,光文社新書)

 

※4 夏井睦『炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学』(2013年初版,光文社新書)

 

夏井睦「新しい創傷治療」

 

同「産褥熱と手洗い」

 

同「『医師ゼンメルワイスの悲劇 −今日の医療改革への提言−』(南和嘉男,講談社)」


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